『呪われた部屋 第一章のあらすじ』
あの部屋には夢と同じように縛られた女性がいた。
部屋中に漂う異臭。
壁を這う赤い筋は血のようにも見える。
私は仲間たちと女性の縄をほどく。
夢に見たのはここまでだ。
彼女の口に貼られたガムテープをそっと剥がす。
苦しそうに喘いでいた彼女の口角が
一瞬緩んだように見えたのは気のせいではなかったはずだ。
間違いない。
部屋中に漂う異臭。
壁を這う赤い筋は血のようにも見える。
私は仲間たちと女性の縄をほどく。
夢に見たのはここまでだ。
彼女の口に貼られたガムテープをそっと剥がす。
苦しそうに喘いでいた彼女の口角が
一瞬緩んだように見えたのは気のせいではなかったはずだ。
間違いない。
彼女は笑っていたのだ。
自由になった彼女は
彼女を取り巻く私達の間を軽い足取りで通り抜け
入り口の扉へと向かった。
その時は彼女が一刻も早く
この部屋から出ようとしているように見えた。
だが違った。
軽い金属の音が薄暗い部屋に響く。
彼女を取り巻く私達の間を軽い足取りで通り抜け
入り口の扉へと向かった。
その時は彼女が一刻も早く
この部屋から出ようとしているように見えた。
だが違った。
軽い金属の音が薄暗い部屋に響く。
彼女は部屋に鍵をかけた。
仲間の何人かが扉の前に集まる。
半笑いで「マジで?」を連呼する青年がいる。
特殊な鍵らしく
ドアノブ自体が回せないようになっていた。
女性が二人その場にへたり込んだ。
顔を合わせた彼らの表情には一様に
この状況を理解出来ない戸惑いと
この状況を拒絶したいという願望がありありと見て取れた。
半笑いで「マジで?」を連呼する青年がいる。
特殊な鍵らしく
ドアノブ自体が回せないようになっていた。
女性が二人その場にへたり込んだ。
顔を合わせた彼らの表情には一様に
この状況を理解出来ない戸惑いと
この状況を拒絶したいという願望がありありと見て取れた。
私たちは閉じ込められたのだ。
「ふざけんな!」と大声を出す男性。
それをきっかけに仲間の何人かが一斉に彼女に詰め寄る。
非難する怒声と懇願する悲鳴とに取り囲まれた彼女は
突然狂ったように笑い出した。
それをきっかけに仲間の何人かが一斉に彼女に詰め寄る。
非難する怒声と懇願する悲鳴とに取り囲まれた彼女は
突然狂ったように笑い出した。
「やっとあえたね。あそぼう。」
容姿とかけ離れた幼い口調ながら
有無を言わせぬその言葉と態度に全員が口をつぐむ。
有無を言わせぬその言葉と態度に全員が口をつぐむ。
「ここのなぞなぞぜんぶとけたらかえっていいよ。」
部屋の中に響く彼女の笑い声。
「でもね。できなかったらずっとあそぼうね。」
彼女の視線の先に
私は見てはいけないものを見てしまった。
床に横たわるボロボロになった衣服の隙間から覗く
黒い毛髪と白い骨。
私が咄嗟に飲み込んだ悲鳴が
同じものを見てしまった別の誰かの口から
とめどなく溢れだした。
私は見てはいけないものを見てしまった。
床に横たわるボロボロになった衣服の隙間から覗く
黒い毛髪と白い骨。
私が咄嗟に飲み込んだ悲鳴が
同じものを見てしまった別の誰かの口から
とめどなく溢れだした。
何故夢の続きにこだわったのか?
どうしてその先を知りたいと思ったのか?
予知夢という非日常的な響きと体験に
私は少し酔っていたのかもしれない。
だが今ならはっきり言える。
どうしてその先を知りたいと思ったのか?
予知夢という非日常的な響きと体験に
私は少し酔っていたのかもしれない。
だが今ならはっきり言える。
夢の続きなど見に行かなければよかった。
彼女が何者でいつからここに居て
何が理由で私たちがここに呼ばれて
何故こんな目に合わなければならないのか。
次々と湧き出す疑問の中で
これだけは疑う余地のない現実だった。
何が理由で私たちがここに呼ばれて
何故こんな目に合わなければならないのか。
次々と湧き出す疑問の中で
これだけは疑う余地のない現実だった。
ここから出られなければ死ぬ。
私達はやむなく彼女の用意したなぞなぞと向かい合う。
それはなぞなぞというには手の込んだ仕掛けだったが
仲間達の協力でどうにか彼女の満足する解答に辿り着き
私達は鍵を開ける事に成功した。
それはなぞなぞというには手の込んだ仕掛けだったが
仲間達の協力でどうにか彼女の満足する解答に辿り着き
私達は鍵を開ける事に成功した。
「またあそぼうね。」
開いた扉から逃げるように飛び出していく私達の背に
彼女の嬉しそうに笑う声がまとわりつく。
彼女の嬉しそうに笑う声がまとわりつく。
こうして私たちは
二度と戻ってくるはずのない部屋を後にしたはずだった。
二度と戻ってくるはずのない部屋を後にしたはずだった。
そう。
そのはずだった。
[呪われた部屋 第二章へ続く]
そしてアナタはもう一度あの部屋に誘われます…。